アトランタの交通
アトランタの玄関口となる空港はダウンタウンの南約16kmに位置するハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港(IATA: ATL)である。同空港は利用旅客数と離着陸数において、「世界で最も忙しい空港」として位置づけられている。2007年に同空港を利用した旅客は約8,938万人、離着陸した航空機は延べ994,396機にのぼる。デルタ航空最大のハブ空港である同空港には、全米各地のみならず、中南米、ヨーロッパ、アジアへの路線も就航している。1925年に自動車レース場跡地を転用して開港したこの空港は、アトランタの地域経済発展にも大きく寄与してきた。
アトランタではI-20、I-75、I-85の3本の州間高速道路が交わる。これらの州間高速道路はいずれも幹線の高速道路で、I-20はバーミングハムやコロンビアなどへ、I-75はチャタヌーガやタンパなどへ、I-85はモンゴメリーやシャーロットなどへそれぞれ通じている。また、I-75を南東へ約130km行ったメーコンでは、サバンナへと通ずるI-16がI-75から分岐する。これらの高速道路上にはグレイハウンドの中距離・長距離バスが走っている。
アトランタ市内では、I-20は東西へ、I-75は北西-南東方向へ、I-85は北東-南西方向へそれぞれ通っている。市の中心部では、約12kmにわたってI-75とI-85が同じ道路を共用しており、ダウンタウン・コネクターと呼ばれる片側6車線(両側で12車線)の高速道路となっている。このダウンタウン・コネクターは1日の通行量が340,000台におよび、全米の州間高速道路の中では最も混雑の激しい10ヶ所のうちの1つに数えられている。
これらの幹線の州間高速道路のほかにも、アトランタには全部で12本の放射線が走っている。また、位置付け上はI-85の支線となっているI-285は、アトランタの市域を囲む環状線である。このI-285はちょうどアトランタ都心部と郊外とを分ける境界になっている。高速道路網の整備が進んでいるアトランタ地域においては、移動手段として自動車への依存度が高く、「南部のロサンゼルス」とも呼ばれることもある。
アトランタ都市圏における平均通勤時間は全米でも最長の部類に入る。また、あまりにも自動車への依存度が高いため、アトランタの交通渋滞は全米最悪の水準である。アトランタは全米で最も大気汚染のレベルが高い都市の1つであるが、その要因として、自動車による長距離通勤と交通渋滞が挙げられている。これに対し、アトランタ都市圏における大気汚染のレベルを下げるため、ザ・クリーン・エア・キャンペーン(The Clean Air Campaign)という非営利団体が立ち上げられた。ザ・クリーン・エア・キャンペーンは、通勤に使われる自動車の量を減らすために相乗りなどの新しい通勤方法を提案したり、地域住民の健康維持のためにスモッグ警報を出したりしている。
自動車への依存度が高いアトランタであるが、公共交通も整備されてきている。アトランタ・マルタ(正式名称: アトランタ都市圏高速交通局)は東西線・南北線の2本の地下鉄、およびフルトン郡、デカル郡、グウィネット郡にまたがる路線バス網を運営している。特に南北線はハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港を南の起点とし、ダウンタウン、ミッドタウン、バックヘッドを縦貫し、サンディースプリングス市に至る、アトランタの大動脈と言える路線である。バックヘッドの1駅南で南北線と分岐する北東支線はドラビル市へと至る。南北線と東西線はダウンタウンの中心、ファイブ・ポインツで交わる。また、アトランタ都市圏内のクレイトン郡、コブ郡、グウィネット郡は、アトランタ・マルタとは別個の、郡の路線バス網をそれぞれ運営している。
アムトラックの駅はミッドタウンの北、ブルックウッド・ヒルズ地区にあり、ダウンタウンからはかなり離れている。この駅の周辺にはアトランタ・マルタの地下鉄の駅はないが、バス停はある。この駅にはニューヨークとニューオーリンズを結ぶ長距離列車クレセント号が停車する。